「タイムスリップ 9」
セイは、目の前に並べられた料理に目を丸くしていた。
「これは?」
「どうせなら食べた事のないものが良いだろうと思って、洋食を作ってみました。 これでも、私学生時代ファミレスでバイトしていたので料理には自信があるのですよ♪」
颯太はニコニコと料理を皿に取り分けている。
「ようしょく? ふぁ、ふぁみ…?」
セイは聞いた事のない言葉を並べられてこんがらがっていた。
「あははっ そうでしたね。 とにかく腕には自信があるって事ですよ。 さぁ、どうぞ」
そう言って、取り分けた皿をセイに渡す。
セイはそれを受け取り、恐る恐る口に運ぶ。
「おいしいっ!」
「ふふっ そうでしょう? 私が自信ある料理を作ってみました」
「これは何と言う料理なのですか?」
「これがカニクリームコロッケで、こっちがハンバーグです。 そしてこれはオニオングラタンスープですよ」
セイは、料理の説明をされても何1つ分からなかった。
「何だか良く分かりませんが、初めて食べるものばかりです。 どうやって作るのですか?」
「では、作り方をメモしてあげますので、元の時代に戻ったときに作ってみてください」
セイはどの料理もあまりの美味しさに全て平らげてしまった。
「ふー、こんなに沢山食べたのは初めてです。 沖田先生が甘味を山程食べる心境が少し分かりました」
「沖田総司という人はそんなに甘味好きなのですか?」
「それはもう。 一気に20皿近く食べるんですよ! 見てるこっちが気持ち悪くなるくらい」
そういうセイの顔は、とても幸せそうだ。
「清三郎さんは、よっぽど沖田総司のことが好きなんですね」
「えっ!」
セイの顔が一揆に真っ赤になる。
「え、い、いや。 そりゃ尊敬してますけどっ!!」
しどろもどろになりながら話すセイを見て、颯太はびっくりした。
「私はそういう意味で聞いた訳じゃないんですけど…清三郎さんはもしかしてそっちの気が…??」
颯太は少し後ずさった。
颯太の言っている意味が分かったセイは、
「ち、違いますっ! 私にもそういう趣味はありません!」と思わず叫んでしまった。
「え…だって清三郎さん顔真っ赤ですよ??」
颯太は完全に疑っている。