「タイムスリップ 8」


「これなんですが」
と、颯太はある女性が写っている写真をセイに見せた。

「あっ! ポトガラ!?」
セイは初めてカラーで見る写真に感動していた。
「色がついてますよ! 私が沖田先生と撮った時には色なんてついてませんでした」
写真に見入っているセイに、颯太は微笑んだ。
何かを見せる度に喜んだり感動したりするセイを可愛いと思い始めていた。

「ふふっ 清三郎さんて本当に面白いですね」
「だって、ここには知らないものばかりあるんですもん。」
といって、写真を手にとってうっとりと見ている。
そのセイが、「あ」と声をあげた。

「このポトガラに写ってる人、私そっくりですね…」
「やっぱりそう思いますか? 私もあなたを見た時から思っていたんです。」
「もしかして、この方私の生まれ変わり??」
セイはびっくりした顔で颯太を見た。
「私を沖田総司の生まれ変わりだと言うなら、きっと彼女はあなたの生まれ変わりなんでしょうね。」

セイはまた1人で感動していた。
生まれ変わっても、また総司と出会っていたのだ。

「そ…それで彼女とはどういう…?」
セイはドキドキしながら聞いてみた。

「ただの同級生ですよ」
颯太は思いのほかそっけなく答えた。
「え、そうなんですか?」
がっかりした。

「確認したかっただけですから。 もう彼女の話は終わりにしましょう」
と、そっけなく言い、セイから写真を受け取りすぐに引き出しにしまってしまった。

その人はやっぱりこの世界でも颯太さんの事を好きになったのだろうか。
セイはその事が気になった。
でも、颯太はセイの生まれ変わり(かもしれない)人の事をあまり良く思っていないみたいだ。
それがとても悲しかった。

「あ、お腹空いてません? 良かったらお風呂も沸かしますけど」
何だか落ち込んでいるように見えるセイに、颯太は気を使って訪ねた。
「おっ お風呂!?」
「えぇ、何か問題でも? 疲れてるならゆっくりつかって体を休めたほうが良いでしょ? 泊まる所もないんでしょうし、帰れるまで家に泊まってもらっても良いですよ。 どうせ1人暮らしですし、部屋も余ってますから。」
颯太は親切のつもりで言った。

だがセイは迷っていた。
まだ自分が本当は女だとは颯太は知らない。
お風呂に入ったり、ここに泊まったりすると女だとバレてしまう。
未来の人に新撰組に女がいたという事実が知れてしまって良いはずがない。
セイの頭はどうしたら良いのかフル回転していた。