「タイムスリップ 7」

「え…」
セイは一瞬固まった。
「あたなの顔はまるで女の子のようですね。 とても新撰組のような人きり集団の一員とは思えませんよ。」
「そ、そうですか? 隊でも良く言われます。」
セイは恥ずかしそうに笑って下を向いた。
それを見て、颯太は初めて笑った。
「あははっ 本当に可愛らしい反応をしますね。」

「あっ」
セイはある事を思いついた。

もしかして、この人沖田先生の生まれ変わりじゃ…
顔があまりにも似ている。
話し方も声も沖田先生にそっくりだし。
140年経っているって言ってるし、ありえない話ではない。

「どうしました?」
いきなり颯太の顔を見つめて黙り込んだセイを見て颯太は不思議そうに問いかけた。

「も、もしかして颯太さんて剣の腕は・・・?」
「剣? 剣道なら6段ですが。 学生時代はインターハイにも出ました。」
いきなり何の質問だという顔で答えた。

「やっぱり」
セイは確信した。
インターハイが何かは分からなかったが、剣の腕はあるのだと分かった。
「やっぱりって?」

「颯太さん、沖田先生の生まれ変わりなんですよっ!」

「はぁっ!?」
思わず素っ頓狂な声を出してしまった。

「だって、颯太さん沖田先生にそっくりなんだもの。 顔も声も笑い方も。 剣の腕だってっ!」
「そんな訳ないでしょう! 私が沖田総司の生まれ変わりだなんて」
颯太は必死で否定する。
まさか自分が歴史上の人物の生まれ変わりだとは。
「私はただのサラリーマンですよ!」
「サラリーマンが何かは分かりませんが、きっと沖田先生です! わぁ!沖田先生の生まれ変わりの方に会えるなんて、感動ですっ!」
セイは、颯太の話を聞かずに1人で盛り上がっている。
颯太は言い返すのも面倒になり、「じゃあそれで良いです」と諦めてしまった。

と、言っても颯太にはそう言われて思い当たる節があった。
先ほどから気になってはいたが、自分の知っている女性にセイはそっくりなのだ。
もしかしたら、その女性はセイの生まれ変わりなのかも知れない。

「ちょっと見ていただきたいものがあるのですが」
といって、颯太は部屋の引き出しから本のようなものを取り出した。