「タイムスリップ 3」
「わぁぁぁぁっ」
その男は、驚いてセイを突き飛ばした。
セイは尻餅をついて倒れてしまった。
「あなた誰ですかっ!!」
男はセイを見下ろして怒鳴っている。
セイは男を見上げる。
良く見ると総司に似ているが、違うようだ。
髪は短髪で見たことのない着物を着ている。
「お・・きた先生ではないのですか?」
「違いますっ! って言うか、どうやってここに入ったんですか?」
その男は相当怒っているらしい。
セイは立ち上がり、おずおずと話しかける。
「申し訳ありません。 私は新撰組1番隊士の神谷清三郎と申します。
気がついたらここに…」
と正直に話す。
「はっ!? 新撰組?」
「はい、ここは屯所の近くでしょうか?」
男はセイの問いかけに反応せず、変な者を見るような目つきでセイを見た。
「何かの冗談ですか?」
「いいえ、冗談ではありません」
「では撮影でもしているのですか? その格好。」
セイの着ているものと2本を指差して男は問う。
「?? 撮影って何ですか?」
「・・・・」
「・・・・」
完全にセイを変な人と決め付けている目をしている。
「あの、勝手に入ったのは謝ります。 私は屯所へ戻りたいだけなのです。
ここからどういったら屯所へ戻れますか?」
男は頭を抑えて ふー とため息をつく。
「もう1度お聞きして良いですか? あなたは誰ですか?」
「ですから、新撰組1番隊士の神谷清三郎ですってば」
セイはちょっとイライラしてきた。
「こんな事いちいち言うのもどうかと思いますが、新撰組がいた幕末は、
今から140年以上も前の事ですよ。 そんな嘘つかないで、本当の事を言って貰えませんか」
その言葉に、セイの頭は真っ白になった。