「タイムスリップ 21」


 

瀬奈は穴が開くほど颯太を凝視している。

「颯ちゃんが沖田総司の生まれ変わり・・・」

「瀬奈、そんな見つめられても・・」
どことなく颯太の顔は嬉しそうだ。

「颯ちゃんが・・・ 嘘でしょ」
「だだだって セイさんがそう言うんだもん」

セイはどうして良いか分からず、2人を見ている。

すると、ばっと瀬奈がセイに振り返った。

「沖田総司の顔って、やっぱりこのまんまの顔なの?」
「はい、最初颯太さんを見た時沖田先生だと思ったんです。 髪型がちょっと違いますが、声もしゃべりかたも全部同じですよ」
瀬奈は、まだ信じられないという顔で颯太の顔を眺めた。

「でもそうだよね・・・ セイちゃんと私もこんなにそっくりなんだもん。 本当にそんなに似てるのなら生まれ変わりかも知れないわね。」
瀬奈はやっと納得したという顔をした。

「で?」
「えっ?」
「その、沖田総司の事が好きなのね? セイちゃんは」
いきなり話が元に戻り、セイの顔がボッと赤くなった。

「セイちゃん、可愛いなぁv それで、その沖田先生とはどんな感じなの?」
普通に女同士の恋愛話のような雰囲気になってしまっている。

「え・・えーと・・・」
セイは真っ赤になったまま、苦笑いしている。

「瀬奈、セイさんが困ってるでしょ。 もうそれ以上は良いんじゃない?」
それまで黙ってみていた颯太が、見るに見かねて間に入る。

「えー?? 聞きたかったなぁ〜。 じゃあ、今日は良いから、また2人きりの時に教えてね。 男がいると
 話しづらいこともあるもんね」
とセイに向かって可愛くウィンクした。

セイはホッとして、「はいっ」と笑顔で答えた。

食事も終わり、そろそろ夜も更けてきた。

セイの様子がおかしい。
先ほどから何だか2人を見てそわそわしている。

颯太が気になって、瀬奈が食器を洗っている間にこっそり話しかけてみた。

「セイさん、どうかしましたか?」

「あのぉー・・」

「はい??」
「颯太さん。 久しぶりに2人で会ってるんだから、私居ない方が良いんじゃないんでしょうか?
 もし良ければ私は外に行きますよ?」
颯太はそういう事かと笑った。

「そんな事気にしてたんですか? セイさんは大事なお客様なんですからそんな事気にしないで下さい。
 もちろん今日も泊まってくださいね♪ 幸いこの家には他にも布団はありますから」
颯太はニコニコと答えた。
「そうですか・・ ありがとうございます。 でも実はもう1つ気になる事が・・・」
と、セイは先ほどからほのかに光っている指輪を取り出した。

「これ、さっきからずっと光ってるんです。 こっちにきた時も、こんな風に光ってたから、もしかしたら
 帰れるって事なのかと思って・・・」
セイは、指輪を颯太に見せた。
「ほ、本当だっ! ちょっと見せてもらっても良いですか?」
颯太はセイから指輪を受け取った。

颯太がまじまじと指輪を見ている。
すると、光が大きくなってくる。

「えっ!?」
「わっ」
辺りが見えなくなるくらい、指輪が光った。

セイはまぶしくて思わず目を閉じた。

キッチンに居た瀬奈も、リビングから見えた光に驚いて出てきたのだが、光がまぶしく目の前に手をかざした。




しばらくして光が収まり、2人はそおっと目を開けた。


しかしそこには颯太の姿がなかった。