「タイムスリップ 20」


 

颯太と瀬奈が、セイの存在を忘れてイチャイチャし始めた。

セイはその様子を呆れながらも微笑ましく感じていた。
そして、ふと颯太が取り上げた指輪がテーブルの上に置かれているのを見て手にとってみた。

何気なくそれを見つめながら、総司の事、そしてどうしたら元の世界に戻れるのだろうと考えてた。
(せんせぇ・・・)
きっと心配している。
それどころか突然居なくなった事を怒っているかもしれない。
未来に行ってましたなんて言っても、絶対に信じてくれないだろう。
どうしたものかとセイは悩んだ。
すると、指輪がほのかに光始めた。

「あっ!!!」
セイは思わず叫んでしまった。
その声に、2人がびっくりしてセイを見た。

「セイさん??」
「どうしたの、セイちゃん!」

セイは慌てて指輪をテーブルの下に隠した。
「あっ いいえ、何でもないんですっ!」
指輪を瀬奈に見せるわけにはいかず、セイはごまかした。

「あ、えーと、その・・・ こ、この料理は何が入ってるんだろうと考えた結果、にんじんが入ってることが分かったので・・・」


・・・。


「あ、そうなんだ・・ よかった、分かってもらえて・・」
颯太は苦笑いしながら微笑んだ。

セイの存在を思い出した2人は、気を取り直してテーブルに着きなおし食事を再開した。
セイは、手の中の指輪が気になって仕方なかったが、瀬奈の前で颯太にその事を話すわけにもいかず、
とりあえず食事を終わらせてしまおうと食べ始めた。

「それでセイちゃんの事なんだけど・・・」
瀬奈が思い出したように訪ねた。

「そ、そうでしたね! えーと、どこまで話ましたっけ??」
「何とかって所にお使いに行ったとかどうとか・・・」
「そうです。 鬼副長に頼まれた使いで黒谷に行った帰りに、林の中で光る石を見つけたんです。」
「その前に、どうして新撰組なんかに入ったの?」
颯太と同じ質問をする瀬奈に、セイは詳しく事情を話した。

話を聞き終えた瀬奈は、涙ぐみながら、セイの身に起こった事を真剣に聞いていた。
「お父さんとお兄さんを・・・ それは本当に辛い経験だったね」
そこで、セイは総司との出会いを若干頬を染めながら話始めた。

「ふぅーーん、その人の事が好きなのね。  って、えぇっ!!! あの沖田総司!?」
瀬奈は、あまりにも有名な人物が自分の前世の人間の想い人だと知って、びっくりした。
セイも、瀬奈の驚きを見てびっくりしている。
「えぇ、ってそんなにびっくりする事ですか??」
「だって、すごく有名な人だよ?? セイちゃんてすごい人なんだ・・」
瀬奈は、何となく尊敬の眼差しでセイを見ている。
「ねね、沖田総司ってどんな人なの?? カッコいい??」
興味津々と言った感じで身を乗り出してセイに訪ねる。

セイは、とまどった表情で颯太を見た。
颯太はと言うと、瀬奈の隣で微妙に頬を染めながら自慢げに微笑んでいる。
「そ、それは・・・ 颯太さんを見ていただければ分かるかと・・」
状況が飲み込めない瀬奈は、セイと颯太の顔を見比べている。
「?? どういう事?」

「そ、その・・・ 実はセイさんが言うには、僕が沖田総司の生まれ変わりではないかと・・・・」

「えぇぇぇぇぇぇぇっ!!!!!」
瀬奈の絶叫が木霊した。