「タイムスリップ 15」
颯太はセイの寝顔を眺めていた。
すごく綺麗な顔をしているなぁと関心する。
歳はいくつなのかまだ聞いていないが、きっと16、17歳くらいなんだろうなと思う。
颯太は何となくセイの髪を撫でてみた。
「ん・・」
セイが反応したのにびっくりして飛び上がってしまった。
「・・・おき・・せ・・せい」
ふふっと笑っている。
寝言… 起きてないのかな。
きっと沖田総司の夢でも見ているんだろうな。
(この人にここまで想われている沖田総司というのは一体どういう人なのだろうか。 私も彼女からここまで想ってもらえていたら…)
颯太は何だか総司に対して嫉妬を感じた。
颯太は立ち上がり、部屋の電気を消して「おやすみなさい」と言って寝室を出た。
何だか今日は寝れそうにないな。
寝酒でも飲もう。
冷蔵庫からビールを取り出しソファにどかっと座った。
ビールを飲みながら、TVを見ているとふと何か袋のようなものが目に付いた。
手にとって中を見ると、団子が入っていた。
「美味しそう…」
甘いものに目がない颯太は、どうしてもそれを食べたくなってしまった。
「あぁ、でもこれって清三郎さんのものだ。 きっと沖田総司に買ったものなんだろうな。」
勝手に食べるのをしばらくためらっていたが、どうしてもその誘惑に勝てず、1つだけと思い口に入れてみた。
「うわぁ! 美味しい!」
素朴な味だったが、とても美味しく感じた。
もう1つ… もう1つだけ…
「あぁぁぁぁっ! しまったぁ! 全部食べちゃった! どうしようどうしようどうしよう??」
颯太はビールのつまみに食べているうち、全部食べてしまった。
「明日清三郎さんに謝らなきゃ… そうだっ! 明日一緒に買い物に行こう! その時にお団子のお詫びに
江戸時代にはないような洋菓子をプレゼントしよう♪」
心なしか酔っている颯太は、勝手に結論を出して満足していた。
ドサッ
その時、寝室の方から大きな物音がした。
颯太はセイに何かあったのかと急いで寝室に向かった。
「清三郎さんどうしました!?」
電気をつけてみると、セイがベッドから落ちていた。
だがセイは疲れているせいか、すーすーと寝息を立てて寝ている。
「だ、大丈夫ですか、清三郎さん??」
声を掛けるが、全く起きる気配がない。
颯太はふふっと笑ってセイの横に膝をつき、セイを抱き上げた。
すると、颯太の腕の中で身じろぎしたセイが、颯太の方へ向き、颯太に抱きつく形になった。
「せせせせせ清三郎さん!?」
颯太は先ほどの事もあり、異様な反応をしてしまった。
「!!!!?」
抱きついたセイの体に何か違和感を感じた。
心なしか、セイの体に膨らみを感じる。
(ま、ま、まさかっ??)
そーっとセイを引き剥がしてみる。
颯太の服はセイには大きくだぼっとして見た目には良く分からない。
「清三郎さん、ごめんなさいっ!」
颯太は眠っているセイに謝って、そぉっとセイの胸を触ってみた。
(ありました! 何だか胸のような膨らみがありましたっ! ありましたけどっ!?)
颯太はあまりの衝撃にドキドキしながら固まってしまった。
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「おはようございます、颯太さん」
セイが爽やかな笑顔で挨拶をしてきた。
「清三郎さん、おはようございます」
「何だか颯太さんクマがひどくないですか? 昨日眠れました?? もしかして私が邪魔で寝れませんでした!?」
「いいえっ! 寝ましたっ! 邪魔なんて全然そんな事ありませんっ!」
颯太は昨日あれから一睡も出来なかった。
セイをいち早くベッドに寝かせて寝室から出てきた。
そして、ビールを煽るように飲んだ。
どういうことなのか、本当に女のかどうか、もし女ならどうして新撰組にいるのかを必死で考えていた。
「そうですか? だったら良いんですけど♪」
と言ってセイは颯太が座っているソファの隣にちょこんと座った。
「今日は彼女に会いに行くんですよね? 楽しみだなぁvv …って、颯太さん? どうして離れるんですか?」
セイの隣にいれなくて、颯太は思わずセイから距離を空けた。
「いえっ そのちょっと私昨日お酒を飲みすぎてしまって、お酒臭いかなと思って。」
「えーっ 1人で飲んでらしたんですか?? すみません、私が先に寝てしまったので・・・」
セイは何だか勝手に寝てしまったことに責任を感じてしゅんとしてしまった。
(うぅっ そんな顔しないで下さいよぅ)
その顔も妙に可愛いと感じてしまう。
(ここははっきりと聞くべきか。 それとも知らないふりをするべきか。 どうするの!? どうするのよオレ!?)by ジョー
「どうかされたんですか? 先ほどから1人でぶつぶつ言ってらっしゃいますが…」
うっかり声に出してしまっていたらしい。
「あのっ! 清三郎さん!」
「はい?」
「1つお聞きしたい事があるのですが!」
「何でしょうか?」
ごくっとつばを飲んで颯太は訪ねた。
「新撰組という所は女性も入れるのですか?」
突然の質問に、セイの顔色がさっと青くなった。
口の中が乾き、言葉が出ない。
そのセイの表情を見て、颯太はセイが女であることを確信した。
「清三郎さんは… その…」
女性なのですか?と聞こうと思うが、その言葉が何だか躊躇われた。
「気づかれちゃいましたか」
セイは力なくははっと笑った。
「え… じゃあ本当に…??」
「はい、隠しててすみません。 実は私は女です。 女の身で新撰組にいるんです。」
颯太は確信はしたものの、本人の口から聞いて改めて驚いた。
「ど、どうして…? 新撰組は女性もいましたっけ??」
「いいえ、隊では女と言う事を隠しています。 だた1人だけ私の秘密を知る人はいますが。」
その相手が誰だか颯太には瞬時に分かった。
「…沖田総司ですか?」
セイはボッと赤くなり下を向いた。
「そ、そうです。」
颯太は疑問が解けた気がした。
どうしてセイがここまで総司の話題になると嬉しそうになったり照れたりしたのか。
(きっとこの人は沖田総司の事が好きなんだ。 だから新撰組にもいるんだろうな)
「どうして女性の身で新撰組に?」
セイは新撰組に入った経緯を話し始めた。
「…そうですか、それで仇討ちの為に。」
「はい。 もう仇は取ったのですが、もう私には他にいく所もありません。 それで無理を言って沖田先生に協力してもらって何とか新撰組でやっていってます。」
(沖田総司はこの人が女と知っていると言う事は、もしかして彼も…??)
「あなたの本当の名前は何ですか?」
颯太は優しい声で、セイに訪ねた。
「富永セイと言います」
「セイさんですかぁ。 良いお名前ですね。」
「あ、あのこの事は秘密に…」
セイが懇願するような顔で颯太を見上げた。
その言葉に颯太は思わず噴出した。
「あははははっ そんな事分かってますよ! その前に、江戸時代から新撰組の隊士が来たと言っても誰も信じませんよ!」
セイはその言葉を聞き、照れたように笑った。
「それもそうですね」
2人で顔を見合わせて笑った。
「セイさん、お腹空きませんか? 良かったら着替えて食べに行きましょう」
「はい、ぺこぺこでした♪ ありがとうございます!」
「そ、それと… 1つセイさんに謝らなければならない事が…」
はい?とセイが颯太を見上げる。
もじもじしながら颯太が団子の入った袋を取り出した。
「あっ これはっ」
「すみませんっ! 昨日すっごく美味しそうだったので… 1つだけと思いながら食べてるうちに…
」
「もしかして、颯太さんも甘いものが??」
「はい… 大好きです…」
セイは微笑んだ。
(やっぱり颯太さんは沖田先生の生まれ変わりなんだvv)
「お詫びに江戸時代にはないお菓子をプレゼントします。 それで許してもらえますか??」
「許すだなんてっ! お世話になっているのだから、そんな事気にしないで下さいね!」
その言葉に颯太は安心したように笑った。
「良かった。 では出掛けましょうか♪」
「はい♪♪」