「タイムスリップ 14」


「これがシャンプーで、これがトリートメントです。 で、これがボディソープなので好きに使ってくださいね♪ あとお風呂には入浴剤入れてますから」
と、颯太は嬉しそうに説明した。

「あのぉーー・・・ 申し訳ないのですが、もう1度私にも理解できるように説明して頂けませんか?」
「あ、ごめんなさい。 じゃあこれが・・」
と、颯太は1つ1つ説明し始めた。
「服は私のを使ってくださいね。 下着も新しいの用意しましたから。 ではごゆっくり」
と言って颯太は出て行った。

セイは颯太の気配がなくなったのを確認してから、服を脱ぎ浴室へ入った。

さきほど、颯太はセイを銭湯に誘ってきた。
せっかくだから大きなお風呂に入ろうと気を使ってくれたのだが、大衆風呂と聞いて必死で断った。
やけどの痕を理由に、やっと納得してもらった。

教えてもらったシャンプーというものを手にとってみた。
とても良い香りがした。
(ほんと、この時代にはすごいものがいっぱいあるなぁ)
セイは1人関心しながら髪を洗い始めた。


一方颯太は、ボーっとテレビを見ながら考え込んでいた。
セイに銭湯を勧めた時、体に火傷の痕があると言っていた。
実は元カノにもうっすらとだが、体に痕があったのだ。
彼女は生まれつきだと言っていた。
セイの生まれ変わりという可能性がより一層強まったと感じた。

そして、沖田総司は無類の甘味好きだといっていた。
セイには言わなかったが、颯太も実は甘いものが何よりも好きだった。
毎日チョコやケーキをこれでもかというほど食べる。

颯太は、セイの火傷がどういうものなのか、どうしても知りたかった。
しかしさすがにお風呂を覗くのは気が引けた。
お風呂から上がってきたセイに見せてもらえないか聞いてみようと思った。


「良いお湯でした。 ありがとうございました」
と、セイが嬉しそうにお風呂から上がってきた。
セイの姿を見た瞬間、颯太の心臓は飛び上がりそうになった。
月代はあるものの、下ろした髪は黒々と艶があり、湯上りで蒸気した顔はこれでもかいうほど色っぽい。
そして、颯太の服はさすがに大きかったのか、ダボっと着ている姿は妙に可愛らしかった。

「せせせ清三郎さんっ」
思わず意味なく颯太は叫んでしまった。
「はい?」
突然名前を呼ばれたセイはびっくりして返事をした。

「えええええ、えーと。 何でもないです! 私もお風呂に入ってこようと思います!」
このままでは変な気分になってしまうと危険を感じ、颯太は浴槽に非難した。


なんなんだっ あの色っぽさは!?
いやいやいやいや、清三郎さんはいくら可愛くて彼女に似ているからといっても、男なんだっ!
なのに何でドキドキしているんだっ!
清三郎さんに火傷の痕を見せて下さいなんて言えないっ!

颯太は1人頭を抱えてうーんうーんとうなっていた。


1人リビングに残されたセイは、点いているテレビに釘付けになっていた。
「箱の中に人がいる・・・」
しゃべっている内容などは全く理解できなかったが、初めて見るテレビはすごく不思議だった。

(向こうに戻ったら、沖田先生にお土産話が沢山あるな♪
あ、そうだ! 颯太さんに教えてもらった料理を沖田先生にご馳走したら喜ぶかも!)
セイは呑気にそんな事を考えていた。
「明日は私の生まれ変わりの人と会うんだ。 緊張するなー。」
など、1人つぶやきながらTVを見ているうちに、セイはだんだん眠気に襲われてきた。


「清三郎さん?」
お風呂からあがった颯太がリビングに来て見ると、セイは寝息を立てながらすでに眠ってしまっていた。

「あははっ 疲れちゃったんですね。」
といって、セイを抱き上げた。

(うわっ 軽い)

そのまま颯太は、自分のベッドにセイを寝かせた。