「タイムスリップ 6」

「こんな場所知りません。」
セイは、どうしたら元の場所に戻れるのかと考えた。
颯太はそんなセイを見て、ため息をついた。
「どうやら嘘をついている訳ではなさそうですね。 もしあなたが本当に新撰組の人だとしたら、こんな面白い事はありませんよ。」
そう言って、颯太はソファに戻りタバコに火をつけた。

「面白いって!」
セイは反論しようとした。
「だって、タイムスリップしてきたって事でしょ? すごい事じゃないですか」
颯太は飄々と答えた。
「タイムスリップって?」
「簡単に話せば、時間を越えて来たって事ですよ。 本当はあなたはここにいるべき人間じゃない。 江戸時代はとっくに終わってるんですから。」
セイは愕然とした。
「江戸幕府はもうないのですかっ!?」
颯太はしまったという顔をした。
江戸時代を生きている人間に、幕府がなくなったなどと言う事は失言だった。
しかも、新撰組と言えば、幕末を必死に生きていた人々だ。
歴史にあまり詳しくない颯太でもそれくらいは知っている。

「あー…、あなたたちの時代からかなり先の話ですけどね」
颯太はごまかそうとした。
「本当ですか?」
「はい。 あまり詳しくはいえませんが、新撰組は今の時代では英雄扱いされてますよ」
その言葉に、セイは心底嬉しそうな顔をして微笑んだ。
セイの笑顔を見て、颯太は思わずドキッとした。
自分の知っている女(ひと)と同じ笑顔をしたからだ。
でもこの人は男だ。 その女とは違う。

「あの、さっき私の事"沖田先生"と呼んでましたが、もしかして新撰組の沖田総司ですか?」
「はいっ! そうです! 沖田先生もこちらの時代では有名なのですか!?」
セイは、総司の話題に食いついてきた。
その食いつきように颯太は一瞬びっくりした。
「はい、かなりの剣豪だったとか。 最期は・・・とと。 えーと、とにかく有名人ですよ」
「わー、嬉しいvv」
セイは顔をほんのり赤くして、喜んでいる。

「あなたはまるで女の子のようですね」