再来  2


セイが女子だったという事は、近藤先生と土方さんには打ち明けた。
2人とも絶句して、それから一言だけ「分かった」と言った。

その後、何を思ったか、土方さんは神谷さんの墓を「沖田家縁者の墓」として建てた。
何かお咎めがあると覚悟したのだが、全く何もなかった。
そして、女子だったという事実は他の隊士達には伏せられた。


セイが死んでから半月程たった。
総司は淡々と毎日を過ごしていた。
仕事はきちんとこなすし、ご飯も良く食べる。
しかし全く笑わなくなった。
そして非番になるとどこかへふらっといなくなる。
誰もがセイの死が原因だと分かっていたが、誰も何も言わなかった。


「神谷さん、また来ちゃいましたよ」
総司はセイの墓に参っていた。
手には大量の団子と線香を持って。

総司は非番の度セイの墓を訪れては、墓石の前に座り込み団子を食べながら
墓石に向かってその日あった事などを話した。
まるでそこにセイがいるかのように。
そして持ってきた甘味がなくなるか、話が尽きると総司は帰ろうとする。
懐から、別の包みの団子を取り出しセイの墓に置く。
「ではまた来ますね。 それまで寂しいでしょうが、待っててくださいね。」
と言って帰るのだ。

その日も総司は団子を置いて帰ろうとした。
その時。

「いつもありがとうございます。 沖田先生」

総司はびっくりして振り返る。
しかし当然そこには誰も居ない。
自分の空耳だったのかと踵を返し帰ろうとした。

すると、目の前に若い女の後姿が見える。

「??」

先ほどまでここには自分しかいなかったはずだ。
いつの間に来たのだろう。
総司がその女性に近づくにつれ、見覚えがある後姿だと分かる。

まさか・・・・・

その後姿は、セイに似ていた。

総司の心臓の音がうるさく鳴り響く。

きっと他人の空似に違いない。
総司は帰ろうとその女性の横を通り過ぎようとしたその時、その女性は振り向き総司を見た。

「沖田先生」

間違いなく、その女性はセイだった。

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