未来への地図 7
「・・・総司さんはお元気ですか?」
セイは暗い顔で土方に聞いた。
「まぁ、元気と言えば元気だな。」
「そうですか・・・」
自分は総司が来ない事に落ち込んでいるのに、総司は元気なのだと思うと、更に落ち込んだ。
セイの様子を見て、土方は話を切り出した。
「まだ記憶は戻らないのか?」
「・・・はい。」
「こんな事聞くのはどうかと思うが、お前は総司の事をどう思ってる?」
セイは突然の質問に、顔を真っ赤にした。
土方にしてみれば、セイのその反応は意外だった。
記憶がない今、心のよりどころにしているとは思っていたが、この反応は好きという感情があるより他ない。
「ど、どうしていきなりそんな事・・・」
セイは真っ赤になったまま、土方の顔を見ずに訪ねた。
土方はニヤっと笑った。
「その反応を見れば聞くまでもないがな」
セイは更に顔を真っ赤にさせて、下を向いてしまった。
「次は総司をここに連れてくる。 だから、お前はちゃんと飯を食え。 そんなんじゃ退院が延びるだけだぞ」
その言葉にセイは顔を上げて土方を見た。
「総司さんは・・・ 来たくないんじゃ・・」
「来たくない訳じゃない。 あいつはただ自分に自信がないだけだ」
「自信がない??」
セイは土方の言っている意味が良く分からなかった。
「ま、俺からは何も言えることはないな。 とにかく総司を連れてくるから、2人で話し合え。」
土方はそれ以上その事について話そうとしなかった。
その代わり、落ち込んでいるだろうセイを楽しませようと、色々な話を聞かせてセイを楽しませた。
総司は毎日のように終電まで仕事をしていた。
最近は仕事が落ち着きつつあるのだが、家に帰るとセイの事を考えてしまうので、なるべく仕事をして考えないようにしていた。
しかし、仕事をしていてもいつもセイの事を考えていた。
本当はセイに会いたくて仕方なかったのだ。
最後に会った時、とてもセイに酷い事をしてしまった。
今更あわせる顔もない。
それに、会った時に記憶が戻っていないことを再認識するのはやはり辛かった。
今のセイは自分の事を好きではない。
それを毎回考えながらセイに会うのが苦痛でしょうがなかった。
今のまま会わない訳にはいかないとは自分でも分かっていた。
しかし、この先どうして良いのか総司には分からなかった。
そろそろ終電がなくなる時間になるのを確認して、パソコンの電源を落とそうとした。
その時、総司の携帯がなった。
土方の名前が表示されている。
「もしもし、土方さん? どうしたんですか、こんな時間に」
「まだ会社か?」
「はい、もう出るところですが」
総司は電話をしながら、パソコンを落とし帰り支度をしている。
「明日は何か用事あるのか?」
明日は土曜で休みだ。
特に用事はないので、明日も会社に出てくる予定でいた。
「いえ、用事はないですが・・・ ただ会社には出てこようとは思ってましたけど」
「じゃあ明日は俺に付き合え。 朝言えまで迎えに行くから。 良いな?」
いつもながら強引な土方の誘いは断ない。
どうせ仕事をしていても身が入らないのは分かっている。
「分かりました。 じゃあ明日待ってますので着く頃また電話してください。」
時間を決め、総司は電話を切った。